11.プライドの高い弱虫

わたしのことである。

 

ナメられたくない、だとか自尊心が強いだとか、そういうわけじゃない。

 

被害妄想・ネガティブの類いが大得意で、恥をかきそうなことから事前に迂回し逃げ回る性格を、指す。

 

散々言っているが私はデブだ。
一時期、人気でわりと会費の高いジムが前職の社割適応によって手の出せる価格になったため、通っていたことがある。
当時は“会費分痩せねば”という気持ちで頑張っていたのだが、続かなくて辞めた。

 

それはシンプルに、ダイエットが続かなかったとも言えるが、結局のところ私がそのジムに行か(け)なくなったのは「羞恥心」からだった。

 

社割が効かなければ手の出せない高級ジムだったのも理由かもしれないが、人生初のジムに、いわゆる「デブ」はいなかった。みんな、パンプアップや、既に美しいプロポーションをより美しくするために通うような会員ばかりで、その中でブクブクと太りみっともなく運動する自分が恥ずかしくなってしまった。

 

とはいえ痩せないと一生恥ずかしいままだぞ、と誰もが言いたくなるだろう。

でも私はその後、何度となくまたジムに通おう(別のジム)と思ったがやはりまた恥をかくだろうかと思い、マンツーマンの、自分の身体を最小限の民にしか晒さずに済むジムばかりを探すようになった。

 

そう。痩せるためにジムに行くのに、(共同利用の)ジムには 「もう少し痩せてからじゃないと入れない」などと本末転倒の思考なのだ。

 

ジムに限った話ではない。

せっかく今、仕事のできる“キャラ”だと上司が勘違いしてくれているのだから、失望されたくない、嘲笑されたくない、恥をかきたくない。だから会議でやたらな発言を控える。バカがバレるから。

 

痩せたら?私は“念願の”ジムに通うのだろうか。
いや、その頃には「ジムには20代の女性が多いだろう」などと言って次は「年齢」を言い訳にして頭を悩ますのだろう。完璧に仕上がらないと、恥をかく要素がゼロにならないと前に踏み出せない、そんな性格だ。

 

つまり、プライドの高い弱虫なんだ。

ああ、私は一体いつ。ジムへ通い出すのだろう。

 

 

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